速い?遅い?ゴルフ場のグリーンスピードの決まり方

ゴルフでパターを打つ時にグリーンのスピードについて気になったことはありませんか?

パッティングの後思わず「速い!」や「遅い!」と呟いた経験が一度はあるのではないでしょうか。

このグリーンのスピード感は個人の感覚の違いかと思いきや、実は明確な基準があるんです。

今回はグリーンのスピードにはどんな基準がるのか分かりやすく解説していきます。

1 グリーンのスピードとは?

グリーンのスピードはもちろんゴルフ場の芝によって異なります。

スピードの違いについては以下のような看板で、ゴルフ場に掲示されているのを見たことはないでしょうか。

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この看板の一番上に書かれている「11.3」という数値がグリーンの速さ。

単位には「フィート」というものを使用し、11.3フィートがこのグリーンの速さを表しています。このフィートという数値が一体どれくらいの速さなのかご存知でしょうか?

以下の表に一般的なゴルフのスピードと使用されるシチュエーションについてまとめました。

グリーンの速さ チュエーション
8フィート 通常営業での速さ
9~11フィート 女子ツアートーナメントの速さ
10~12フィート 男子ツアートーナメントの速さ
13~14フィート マスターズの速さ

例えば、11フィートはトーナメントで使用されても不思議ではない高速なグリーン。

13フィート以上になると、ボールに少し触れるくらいで板の上を転がっているような速さの芝なんです。

2 グリーンスピードの測定方法

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グリーンスピードの測定には「スティンプメーター」という器具を使用します。

スティンプメーターとは、もともとはアメリカの全ゴルフ場でグリーンスピードを均一に保つために考案された器具。

素材はアルミ製で、長さは約36インチ(914mm)。中心にV型の溝がありそこからボールが転がしスピードを計測します。また、上部6インチ(144mm)のところにボール受けがあります。

【用意する物】

スティンプメーター、メジャー、ゴルフボール3つ

【測定の手順】

  1. パッティンググリーン面で水平で約3m平方の場所を選びます。
  2. スティンプメーターにボールを乗せ同一始点から同一方向にボールを転がします。
  3. 3個のボールの転がった長さ(フィート)の平均を出します。
  4. 同一方向の反対側で、最初のボールの止まった点との中間点を始点とし②③の手順を繰り返します。
  5. それぞれの方向について平均の速さを算出します。

3 グリーンの硬さについて

3-1 グリーンの硬さの計測方法

グリーンのスピードにおける指標として「グリーンの硬さ」も大切な要素のひとつ。

実は芝を硬さを測る際は、ゴルフ場によっては芝の硬さを表す単位が統一されていないことに注意が必要なんです。

例えば、場所によっては海外のゴルフ場で使用されている硬度計での単位(inch、psiなど)で表記しているゴルフ場もあるんだとか…。

一般的にグリーンは硬いほどボールは止まりにくく、パット時のボールスピードも速くなります。また、ボールがグリーン面に当たった後にできるピッチマークは硬いほど付かなくなるんです。

この様に、芝の硬さに関しては、測定方法や単位が統一されていないことが多いので非常に分かりにくいんですね。

3-2 山中式土壌硬度計とは

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グリーンの硬さを測る器具として日本のゴルフ場で広く使用されているのが「山中式土壌硬度計」という器具。考案者である山中氏・松尾氏という方の名前が由来になっているんです。

山中式土壌硬度計は、バネ仕掛けで可動する円錐体を土壌断面へ直角に圧しあてることで、バネの縮む長さを抵抗として測定する構造になっています。

器具をこの様に使用することで、圧入に要する力=コンパクション(kg/㎠)に換算します。

しかし、コース管理の実務上は、わざわざ土壌硬度(kg/㎠)に換算せずとも、芝生の生育と測定された指標硬度(mm)の関係を理解していれば事足りるので、実務上は指標硬度がそのまま使用されることもしばしばなんです。

<山中式土壌硬度計の使用方法>

  1. 測定する土壌面で平らなところを選びます。
  2. 測定器の誘導指標のメモリを0に合わせます。
  3. 円錐部分を土壌面に垂直に差します。
  4. ツバが断面と完全に接触したらゆっくりと抜きます。

3-3 グリーンの硬さの目安とは?

日本のゴルフ場におけるグリーン面のコンパクションの値は、815 kg/㎠の範囲です。一般的なゴルフ場では、グリーン面のコンパクション値は911 kg/㎠程度、トーナメント開催時には1114 kg/㎠を目標にグリーンが仕上げてられています。

但しグリーン面の硬さというのは、直近の降水量が大きく影響します。降水量の多い地域や時期では高い数値を維持しようとしても下振れしてしまい、逆に、風・湿度などの影響で乾燥しやすい状態では、コンパクション値は高くなる傾向があります。

ショットの弾道の高さやスピン量によっても違いますが、一般的に10 kg/㎠未満のグリーンでは、ボールマークがくっきりできるくらい軟らかく、14 kg/㎠以上のグリーンになると、ほとんどボールマークが付かず、ボールを弾くような硬いグリーンとなると言われています。

<指標高度とコンパクションの対照表>

指標硬度(mm コンパクション(kg/㎠)
21.5 mm 7.9 kg/㎠
22.0 mm 8.5 kg/㎠
22.5 mm 9.2kg/㎠
23.0 mm 10.0 kg/㎠
23.5 mm 11.0 kg/㎠
24.0 mm 12.0kg/㎠
24.5 mm 13.0 kg/㎠
25.0 mm 14.0kg/㎠
25.5 mm 15.0kg/㎠
26.0 mm 17.0kg/㎠
26.5 mm 18.0kg/㎠
27.0 mm 20.0kg/㎠
27.5 mm 22.0kg/㎠

※ゴルフ場によっては、左記の指標硬度がコンパクションとして表記されていることがあります。

4 グリーンの刈高について

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刈高とは芝草の先から芝刈り機までの長さを表す言葉。よく勘違いされやすいのですが”芝草の高さそのものを表す言葉”ではないんです。

芝刈り機の刈高は34mmくらいにして刈るのが一般的。

よく「刈高は低いほうがスピードが早くなる」と言われることもありますが、実際には刈高とグリーンスピードは直接的に関係性はないんです。

例えば刈高を低くするメリットとして上げられるのは、”目が直立して転がりの良いグリーンに仕上げることができる”ということ。刈高を低くするためには、できるだけ地面を平らにして不陸をなくす必要があるんです。

このように、刈高を下げることはグリーンのクオリティを高めるために効果的なんです。単に刈高を下げたからと言ってグリーンスピードが上がるわけではないんですね。

5 高速グリーンを体験しに行こう!

関東の高速グリーンが体感できるゴルフ場を3つご紹介します。

5-1 カレドニアンゴルフクラブ(千葉県)

カレドニアンゴルフクラブは言わずと知れた高速グリーンのゴルフ場。

13〜14フィートのスピードを誇り、マスターズ並みのグリーン提供を目指しているんです。

コース内の「ナセリ」を来場者も見ることが可能で、グリーンに対する探究心が熱いゴルフ場と言われています。

5-2 水上高原ゴルフコース(群馬県)

水上高原ゴルフコースは「スカイコース」にて12フィートのグリーンを提供しているゴルフ場。

難易度が高くなることを考慮して、14分間隔という通常のゴルフ場より約2倍のスタート間隔で営業しているのが特徴なんです。

じっくりと高速グリーンを楽しみたい方にはぜひおすすめのゴルフ場です。

5-3 ワンウェイゴルフクラブ(茨城県)

ワンウェイゴルフクラブは、毎日10フィート以上を目標に掲げ、”1年中安定して速いと言われるグリーン作り”を行っているゴルフ場。

またトリプルセブンという最新の芝種も使用し、更にクオリティの高いグリーンを目指しているんです。

まとめ

今回は、ゴルフ場のグリーンのスピードについてご紹介しました。

ゴルフ場でグリーンに力を入れているコースは全国にたくさんあります。

ゴルフをよくプレーする人の中には、”グリーンが速いとスコアは出にくい”と感じている人もいるかもしれません。

実際に芝とスピードの関係性を知らずにプレーしてしまうと思った様なスコアに届かないなんてことも…。

この芝とスピードの関係性をしっかりと把握することがプレーするゴルフ場のコースを攻略することの近道。

芝とスピードを理解した上で良い成績を残せた際の達成感は非常に大きくなるのではないでしょうか。

是非、皆さんの地域にあるグリーンのスピードを確認することで、新たなゴルフの楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。

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